矢の選び方

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矢尻の取替/PA・PWの使用方法
考えてみませんか!的中向上のための矢の選び方


弓力・矢尺に合わせてタカキューバリエーション
古くは弓道用の矢は竹(しのめ竹)を加工して製作しておりました。何万本もの竹を切り、幾度もの選別を経て素性のよい矢竹のみを組矢(的矢)として製作します。このため一組の組矢を製作するのに大変な労力と時間が必要で、大変高価になり、たくさんの方々に良質の組矢を提供すること困難でありました。そこで弊店の先々代の助言のもとで先代がアルミシャフト矢の開発に着手しました。この結果、開発されたのが1913と2015の二つのシャフトサイズです。均一性が高く耐久性があり高品質でしかも廉価であるため学校弓道はもとよりたくさんの弓道愛好家に使用され、今日ではアルミシャフトのサイズも増えております。またアルミ以外にもカーボンを始め多種多様の材料が弓道用の矢として開発され提供されています。しかしどのような材質で、どのようなサイズのシャフトを使用したらよいかのご提案は不十分のように思われます。弓道では古くより使用する弓の強さに合わせて矢の硬さ(箆張)、重さ、釣合(重心)を選んで使用することが常識です。確かに的中のためには正射であることは当然ですが、それをお手伝いするのは適切な弓具の選択であり、使用です。タカキューでは矢飛びの速さよりもいかに矢を安定飛翔させ、矢所(グルーピング性)をまとめるかを考えご提案したいと思います。貴方の使用する弓力、矢束に合った材質、シャフトサイズはどのように選んだらよいかを考えてみました。少しでも貴方の適切な矢選択のご参考になれば幸いです。

(肥後五代御弓矢師謹言)

近的矢・遠的矢
【弓力・矢束に合ったシャフトサイズ】
羽根の長さは近的矢で14cm〜15cm、遠的矢は11cm〜12cmです。 遠的矢は通常近的矢より軽めで製作しますが、箆の硬さは近的矢と遠的矢同等の硬さを使用するのが良い。異なる箆の硬さ(箆張)の矢を用いた場合、前後の狙いに誤差が生じます。
近的矢 遠的矢
矢の材料
【弓道用矢の材質と仕様】

アルミ 最も廉価で均一性が高く耐久性があります。曲りの矯正(矯直し)、シャフト継ぎ等の修理も可能です。弓の強さ、矢束に合わせてパイプのサイズを選ぶことが出来るため入門クラスの練習矢として最適です。
カーボン カーボン繊維を使って成形したシャフトで、アルミシャフトより1.5〜2.0倍ほど高価。打撃音が柔らかく、手触りも竹のように温かみがあり、また振動減退性に優れている。弓力、矢束に合った箆張、および重さのシャフトを使用すること大切です。
アルミカーボン アルミシャフトの外周にカーボン繊維を皮膜成形したシャフトです。高価ですが、箆が細くて軽く、また適度な箆張があるため主に遠的矢に使用されています。細くて硬いので矢色が出やすいので注意が必要です。
箆(の) 日本弓道で古くより使用されてきた矢の材料で、天然の矢竹(しのめ竹)を加工して製作します。1本たりとも同じ材料はなく熟練した職人により1本1本大変手間のいる手造りのため高価になります。山から切り出された竹は厳選された後良く乾燥され、荒矯め、削り、洗い、火入れ、磨き等幾多の工程を経て箆となります。出来上った箆は太さ、重さ、釣合い、火色、節間隔、そして箆張を揃えて組矢となります。礼法としての日本弓道において箆矢の優美さはさることながらその振動減衰性において特に優れております。

弓道用矢の材質と仕様
弓力・矢束(引尺)
【弓道用シャフトの重さと硬さ(箆張)】
古来より使用されてきた箆矢において、安定した矢飛びのためには“強い弓には強い箆張で重めの箆、弱い弓には弱めの箆張で軽めの箆を使用すること”が大切とされています。つまり、アルミ矢、カーボン矢においても弓力、矢束を考慮したシャフト選びが大切です。使用者に適合した硬さ、太さ、重さのシャフトを選ぶことにより、矢の安定飛翔・グルーピングにつながり的中率の向上も期待できます。
弓道用シャフトの重さと硬さ(箆張)
羽根
【七面鳥・ハナハク・黒羽根の種類と特長】
矢羽根には鷲・鷹の羽根が風合いもよく耐久性があるため最良とされております。しかしながら、今日では入手が困難であるために七面鳥、鵞鳥(ハナハク)、白鳥が一般的です。その内でも特に七面鳥の羽根は安定供給が可能なため入門者および学校弓道に主に使用されます。羽根は通常白色で、鷲・鷹羽根模様に染色して使用されます。また中級者および上級者向けに製作しております黒羽根はナタ羽、ホロ羽、風切の手羽根と尾羽根があり羽質もしなりがあり丈夫です。特に尾羽は大変丈夫で練習量の多い中級者以上の学校弓道の方にはお勧めです。
七面鳥・ハナハク 黒羽根
仕立て
【矧糸色・時代巻・羽中文字・梨地】
矢に貴方の個性を思う存分発揮してください。弊店では時代巻、梨地、羽中文字など伝統的なおしゃれをご用意致しました。また、矢筈(ポリカ筈)もできる限り取り掛け時に邪魔にならないようにスマートな形状に、筈溝を19および20同じ大きさでオリジナル製作しました。こちらは、接着剤不要で取り付けることができるため筈替えが容易で大変便利です。
矧糸色 時代巻 羽中文字 梨地
グラデーション
釣合(重心)
【PA・PWの使用方法】
矢の釣合を調整することは安定飛翔に大切で、グルーピング性の向上が期待できます。弊店独自の重心調整システム(PA・PW)をご利用ください。
PA・PWの使用方法
矢尺
【矢束 + 10〜15cm = 矢尺】
左手を横に伸ばし喉から中指の先までを引尺(正味の弓を引く長さ=矢束)とし、これに三指もしくは四指を加えた長さを矢尺(矢の長さ)とします。初心者の方は矢束が定まらないために安全を考慮して十分に矢尺を取ることが大切です。